自分の住んでいる地区の会合で、初めて1時間の独演会を依頼された時、面白い、試しにやらせて頂こうと思いました。
語りのグループが、1時間の依頼を受けると、4人で出向くのが普通です。4人で相談して、趣向を凝らします。
でも今回は、自分の住んでいる地域の集会で、個人的に頼まれたものだから、助っ人を頼まなくてもよいでしょう。無報酬のボランティアですから、忙しい人を頼むわけにもいきませんし。
ただ、1時間飽きられないで聴いて頂くのは、結構大変なことです。人が緊張して話を聴き続けられるのは、45分が限界だそうです。どんな長い話も、45分にまとめるべきなんですって。
でも今回、理想的な時間配分にして下さいました。
会は1時半から3時半まで、2時間の集まりです。そのうちの語りの時間が正味1時間です。
1時45分から2時15分まで語って、そのあと30分間お茶のみと雑談の時間。2時45分から、3時15分まで、語りで、あとは質問とかあってお開きでした。
集合時間の15分後に語りはじめれば、遅れてきた人の雑音に悩まされません。
中間に30分のお喋りとお茶のみタイムが有れば、後の30分もしっかり聴いて頂けます。
1時間を二つに分けて頂けば、手遊びもパネルシアターも無くたって、語りだけでやれます。
良い経験をさせていただきました。
最初に「鬼は内」15分。昨日買った作務衣を着て。
ひどく貧しい男。いくら鬼は外福は内とやっても、福は来ないから、鬼は内とやって見たら、たくさんの鬼が入ってきた。何にもないので、お上さんのよそ行きの腰巻きを質入れして、わずかばかりご馳走したら、鬼のかしらが自分の褌を質入れしてくれと頼み、お上さんは酒肴をたっぷり買ってきた。それからみんなで大いに楽しんで、時間を忘れた。
慌てて帰った鬼たちの忘れ物を男はきちんと納戸にしまって置く。
それから色々あって、男の家は代々栄えているというお話。
終わると作務衣を脱いで、小豆色のカーディガンを着て、現代の怪談ですと「栄光の手」13分。
怖い話にしておいて、最後にオチをつけて落語にしてしまい、笑わせて、お後がよろしいようで---
そのあと30分間雑談とお茶とお菓子。
後半は、カーデガンのまま、デンマークの民話「銅のなべ」15分
終わってまた作務衣に着替えて、時間が余るので、5分あまり雑談を挟みました。
残り時間が7分になったところで、「こじきのくれた手ぬぐい」7分。ちょうど良く終わりました。
またやって欲しいと言っていただけたので、成功だったとおもいます。
楽しかったし、楽しんでいただけたようです。一人で臨機応変にやるのもいいものだと自信がつきました。
静かに聞いてくださった地域の皆様に感謝します。
勿論与えて頂いた良い企画に、大感謝です。
またやらせていただけますように。
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