「96歳の遺言」プロのグループが、ボランティアで、電子絵本化を進めてくださっています。
皆さん現役の忙しい方々ですから、予定通りには進んでいませんが、電子絵本になって無料配信されるのが、とっても楽しみです。
「96歳の遺言」
本文はこちらです。
プロの編集者の方に、漢字をかなに変えて読み易くして頂いています。必要な漢字にはルビを振って下さり、10歳から読めるものになる予定です。
「私」の字はすべて「あたし」にして頂きました。お銈さんはあたしと発音されていましたから。
文章はそのまま使っていただいていますが、一箇所書き換えたらどうかと、相談されました。
生まれは浅草。観音様の後ろの方。 浅草警察の近所。 という部分を、「生まれは浅草観音裏」としてはどうかと。
でも、この部分は、お銈さんの言葉をそのまま書いたのです。これぞおけいさんの江戸弁です。
そう説明して、元のままにして頂きました。
私は、目黒生まれなので、歯切れの良い江戸弁は使えません。でも、江戸弁のような癖はあります。
物事の事実だけを言って、主語だけで喋ってしまいがちです。
もしお銈さんの話を、テープで聞いて、文章に起こしたなら、私がやっても書き換えてしまったでしょう。「生まれたのは、浅草の観音様の裏の方です。」と。でもそれではお銈さんの言葉ではなくなります。
目の前で、ポンポン飛び出すおけいさんの言葉は、小気味良くって素敵でした。なるべくその調子を崩したくないと思います。
三社祭でお神輿かついでいる、いなせなおじさんやお姐さんたちの口調を、思い出しながら、お銈さんの言葉を聞いていました。
小股の切れ上がったいい女・・・おけいさんはそんな感じでした。
余計な形容詞なんかつけない、大事なことだけ、ポンという。かっこ良かったんですよ、お銈さんの喋り方は!!
ボランティアの力を結集して、素敵な電子絵本になる事を確信しています。
昨年、仲秋の名月がのぼるとともに旅立たれたお銈さん。明日も満月、何処かで、絵本をつくっている皆さんの作業を楽しみに見守っていることでしょう。私も楽しみです。
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