昨日、ホテルの話で盛り上がったら昔のことを思い出しました。
昭和60年、五十代の私たち夫婦は、たまたま同じ時期にそれぞれ失業していました。娘は大学受験の年で、息子はまだ小学生でした。
折り良く職業訓練校の募集がありました。事務科や調理科は卒業しても求人が皆無。介護科も今と違ってヘルパーなんてありませんからほとんど求人がない。そちらの生徒は卒業まで失業保険が延長支給されることだけを目的に通っている風でした。
しかし、ビルクリーニング科だけは100パーセント就職可能でした。しかも応募者が少なく簡単に入れます。
三十代から五十代のおばさんばかり25名。平日9時から4時まで、土曜半ドンで半年間楽しく勉強しました。机の授業より実習が多く、私はメカに強い方なので、俗にポリッシャーという大きなマシンで床を洗うのが一番好きでした。今と違って手を離しても止まってくれない旧式の危険なマシンもありました。うっかりすると何処へ飛んでいってしまうか分からない危ない機械ですが、コツを体で覚えれば後は自由自在に操れて、とっても面白くなります。今でもポリッシャーを見かけると、ちょっとやってみたいなあと思います。
実習にはベッドメーキングもあります。一人で手早くシーツを取り替えて整える作業です。
この科に来る求人はホテルと清掃会社ですから、両方に5日間づつ研修に行きました。
5軒のホテルに5人づつで、私は新宿の或るシティーホテルに行きました。簡単な説明を受けただけで一人一室づつ清掃とベッドメイクをするのですが、渡された掃除道具にスポンジが一個しかないのにはびっくりしました。仕方がないからバスとトイレ(内側まで)を一つのスポンジで洗いました。(こんなホテルばかりではないと思いますが)洗い終えてタイルの床を乾拭きし、ペーパーを三角折りしたら、「消毒済み」と言う長い紙をトイレに挟みます「消毒なんかしてないのに」と思いながら。一部屋終わるとすぐ次の部屋に、かなり慌しく動き回るきつい仕事なのに時給はびっくりするほど安く、勤務時間も短いので、せいぜい月3~4万しか稼げません。訓練校ではきちんとベッドメイクを教えるので、パートで来て欲しいと求人は多いけれど、卒業後誰も行きませんでした。
ホテルの従業員はパートが多いのですね。
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狛犬さん あ
狛犬さん ん
下練馬 富士嶽神社