今朝、急いで買い物に行こうと桜吹雪のグリンベルトを歩いていたとき、前をふらふらと歩く中型の雑種犬がいました。腰がふらつく様子はかなりの老犬です。その傍を歩いていたおばさんが、しゃがみこんで首輪を調べ始めて、向こうから来た若いお母さんに『この犬迷子らしいんだけど、携帯持っていたら電話してやってくれませんか』と頼んでいました。私も近づいて見ると、飼い主の苗字と電話番号は、どうも近所らしいのです。しかし電話には誰も出ないし、その苗字はこの辺一帯にたくさんあるし、困ってしまいました。私は先を急いでいたし、おばさんは散歩中でお暇らしいので、心配しながらその場を離れました。角を曲がった先で、小学生の姉弟が走り回っていました。お姉ちゃんが私に『この辺に犬いませんでしたか?』と訊くではありませんか。『いたわよ。あなた○○さん?』と言うと『はい』『この先曲がったとこにいるわ』・・・子供たちは走り出し、私も戻ってみたら、犬はおばさんとベンチのところにいました。
みんなで良かった良かったと一安心。『この犬幾つ?』と聞いてみると、『人間なら92歳です』とおねえちゃん。実年齢も姉弟より上のようでした。弟クンは、彼には大きすぎる犬を抱きかかえて帰ろうとします。この犬には表情がありません。姉弟が迎えに来ても尻尾も振らずにボーっとしています。この家族は、もう老犬の介護を始めているのでしょう。
傍目にはちょっとみっともないよぼよぼの犬ですが、大事な家族なのですね。家を抜け出したのを知って、青くなって探しまわっていた姉弟の姿を見て、良いご家庭なのだなあと感じました。お姉ちゃんは繰り返し御礼を言って近くの家に帰ってゆきました。
でもばあちゃん犬は、ちゃんと家の方向に歩いていたのです。迷子ではなく、家は分かっていたのだと思います。
ばあちゃん犬は『何なの?私が帰ろうとしているのを止めちゃってみんなして大騒ぎして?ほっといてくれればひとりで帰れたのに』と思っていたのかもしれませんね。それにしてもこっそり花見に行くなんて、風流なばあちゃん犬だこと。
こちらのゴールデンレトリバーは、スーパーの前でご主人を待っていました。
公園のカイドウ。なぜか頭を切られて平たくされたまま咲いています。なんで背丈を伸ばしてもらえないのか不思議です。せっかく地植えされているのにもったいないなあ。