毎日続く暑さで、やたら疲れています。それでも買い物に3キロは歩きますけど。
今日は昼間家事をサボって、櫻井さんに頂いたもう一枚のCDを聞きました。
2006年4月30日の,NHKラジオ深夜便午前一時台の「民話を語ろう」というインタビュー番組でした。
櫻井美紀さんが語りを始めた理由は、幼い日に家庭の中に沢山の語りが有ったからだそうです。
石川県出身の年配の方が家でお手伝いをされていて、幼い美紀さんたちきょうだいに方言で繰り返し昔語りを聞かせてくれたこと。お父上は古事記を子供向けに訳して、毎晩聞かせてくださって、美紀さんはそれを翌日幼稚園で、先生やお友達に語って聞かせたとのこと。幼稚園の頃から語り手だったのですね。
アナウンサーを辞めて子育てをしていた時家庭文庫を始めて、読み聞かせや語りをしていた事。
3軒の家庭文庫のグループから、『語り手たちの会』を発足し今年で30周年になること。
アメリカ、カナダ、イギリスの語り手たちと親交が有り、時々招かれて、日本の昔話を英語で語ったりなさるそうです。浦島太郎を語ると、ヨーロッパにもそっくりなお話が有ると言われるとか。・・・3年過ごして帰国したら300年が経っていた・・・という全く同じようなお話なのだそうです。
公演は音楽と一緒になさるそうで、厳島神社に『古事記』を奉納したときは篠笛と共演されたようです。ご自分で小さなハープを弾きながら語ることも有るそうです。
欧米では学校の授業の中に語りがあるそうで、日本の学校でも、自分の辛さなどを、ことばで人に伝える訓練の為に、語りの授業は是非必要だと力説されています。
昭和一桁の櫻井さん、バリバリの現役、羨ましいです。
私も今から追いかけて、アマチュアの『語り手』として活動の場を広げてゆきたいと思っています。
追記。・・・このインタビューの中で一つ、イギリス、サフォーク州の民話を語られました。
村一番の豪農の娘と。村で一番貧しい若者が恋をした。
娘の親は怒って娘を遠くの叔父の家に預けてしまう。
若者は嘆きのあまり病死してしまったが、娘はそれを知らない。
一月後の夜、娘のところに若者が迎えに来た。娘の父の馬に乗って、娘の母のマントを持って。
娘は親の許しが出たと喜んで、一緒に帰る。
途中、若者が寒がるので、娘は自分のスカーフを頭に巻いてあげた。
家に着くと、馬は激しくあえいでいたが若者の姿は消えた。
父親達が、若者の墓を開いてみたら、遺体の額には娘のスカーフが巻かれていた。
総てを知った娘はそのまま病気になって死んでしまった。・・・・・・・
という、日本の民話にも有るような悲恋物語でした。
櫻井さんの優しい語りには迫力も有って、幽霊話が鮮明にイメージできました。
百日紅(さるすべり)が満開です。