今日は歴史の会の新年会。公民館ホールで、出席25名。
同じマンションの方が、みんなの為に大きなケーキを2個も焼いてくださって、それを運ぶのに、ご主人が車で送って下さった為、便乗させていただきました。
午前中は講義。去年は一年がかりで邪馬台国の時代だったけれど、今年は聖徳太子の時代で一年かかるようです。私は近代史が楽しみなのですが、いつになるやら・・・
お昼からは会食と演芸。お寿司などのお料理を写真に撮りわすれ、残して帰った分だけ家で撮りました。
お友達が全員に配ってくださった手作りケーキは、半分残して持ち帰りました。とっても美味しいんです。
お食事が済んだところで、トップは私の語り。「一つの願いと三つの約束」長いお話を極力はしょって20分ほど語りました。結構うけましたよ。
次は八十代の奥様の大正琴演奏。
次はケーキを焼いてくださった方が、ケイナと、オカリナで3曲。オカリナは音の違うもの2本でした。あとはカラオケ。いつものことながら先生の「昴」などがダントツお上手。
今日は朝方、酷くこむら返りを起こしたし、心にかかる問題があって気が晴れないし、今日のホールは暖房が効かなくて足が冷え切ってしまったしで、疲れましたが、3時に終わって、片付けも手伝えないからお先に帰らせていただきました。
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「一つの願いと三つの約束」 あらすじ。
山奥の村に、一人ぼっちで貧乏な若者が居た。いくら働いても楽にならず、寂しくてたまらないから、山に向かって「どなたかー、私が幸せになる方法を、おしえてくだされー」と叫んでいた。
村が雪に閉ざされた頃、ある晩みすぼらしい旅の坊様が一晩泊めて欲しいとたずねてきた。
若者は麦飯と大根汁でもてなした。坊様はたいそう喜んで、「お前様が幸せになりたいなら、この村を出て、西へ西へとどこまでも歩いてゆきなされ。海に出たら、島伝いに行けるところまで行くのじゃ。そこで仙人に会える。仙人は人間が尋ねたいことに、何でも答えてくれるだろう」と教えてくれた。
若者は悩んだけれど、雪解け前に、西に向かって歩き出した。野宿をして、一日中何も食べられない日もあった。苦しい旅を一月余り続けた頃、たいそう景色の美しい村に出た。
集まっていた村人に「こんな美しい村に暮らせたら、さぞかしお幸せでしょうね」と言うと、みんなは首を振って「この村には水がない、毎年日照りで田んぼは全部駄目になってしまう。今年も日照りが続いたらどうしようと相談しているところです」と言う。若者はびっくりして、自分が仙人に会いに行く事情を打ち明ける。村人たちは「それならこの村が、水に困らんようになるためには,どうすれば良いか,訊いてきてください」と頼んだ。若者は「きっと訊いて来ます」と約束した。
それから又何日も歩いて、みかんの花の香りに包まれた村に出た。
一本の木の下で老夫婦が嘆いていた「この木は若くして死んだ我が子の形見に植えたのだが、ただの一度も花が咲かない」と言う。若者は自分が仙人に会いに行くことを話すと、老夫婦は「それなら是非、この木に実がなるようにするにはどうすれば良いか訊いて来て下され」と頼んだ。
若者は「きっと訊いてきます」と約束した。
そこからじきに海に出て、漁師の船に乗せてもらったりして、島から島へ渡って行った。
幾つ目かの島では、人々がたいそう親切で、「あがりや」と言う家の主は、泊めてくれて、お風呂にも入れてくれて、さっぱりした着物までくれた。
この家には美しい娘が3人居たが、末の娘が何にも言わずに、こまごまと若者の世話をしてくれた。
食事が済むと、主は声をひそめて「あなたもお気づきかも知らんが、ウチの末娘は、生まれてから一度も言葉を話しません。どうしたら話せるようになるか心配でならんのです」と言った。
若者はびっくりして、自分が、仙人に会いに行くことを打ち明けた。
主は「それならウチの娘がどうすれば話せるようになるか、訊いてきてください」と頼んだ。
若者は「きっと訊いてきますと約束した。
その後も島伝いに、最後にたどり着いたのは、真っ白い砂浜に囲まれた珊瑚礁だった。
星砂の浜に横たわると若者は眠り込んだ。
気が付くと仙人が立っていた。
仙人は「始めに言っておかねばならぬ。お前は、自分の訊きたい事を訊いたなら、人に頼まれたことを訊いてはならぬ。人に頼まれたことを訊いたなら、自分の訊きたいことは訊いてはならぬ。わかるな」と言った。
若者は悩む。自分の尋ねたいことが聞けないなら、何ヶ月も苦しい旅を続けた意味がなくなってしまう・・・それでも若者は、人に頼まれた三つの質問をした。
仙人は答え終わると消えてしまった。
若者はため息をついて、もと来た道を帰ってゆく。
「あがりや」の見えるところまで来ると、末娘が外に居て「まあ!お帰りなさいませ。お父様、お母様、あのお方がお戻りになりましたよ」と叫んだ。みんな驚いたが、一番びっくりしたのは若者自身だった。
頬を真っ赤にして、主に仙人の言葉を告げた「その娘さんなら心配要らぬ。夫となるべき若者と出会った時から、言葉を話すようになる、と仙人はおっしゃいました」それを聞いた主は「それなら婿殿はあなただ。早速婚礼の支度をせねば」と島中の人を集めて、七日七晩盛大な結婚式をあげた。
花嫁はカナーと言って、17歳だった。
若者とカナーは、婚礼が終わると、新しい旅に出ることにした。
「ご恩は決して忘れません」と若者が言うと、
「時々はこの島へも帰ってきて下されよ」と父親は二人を送り出した。
二人がみかんの村に着くと、老夫婦は美しい花嫁にびっくりした。
「鍬を貸してください。この木の根元に甕が二つ埋まっていて、それを掘り出せば実がなると仙人はおっしゃいました」
掘ると二つの甕が出て、一つには金の粒が、もう一つには銀の粒が、ぎっしり詰まって居た。
びっくりしていると、木一面に白い花が咲き、辺りは香りに包まれた。それがじきに散って、小さな実がつき、どんどん育って、立派なみかんが枝じゅうに実った。
老夫婦は嬉しくて踊りだし「わしらはもう年をとっていて、金も銀も要らんのです。甕は二つともあなた方に差し上げる」と言う。「余りに多すぎます」と言うと「それなら世のため人の為につこうてくだされ」と言われありがたく頂く。
二人は旅を続けた。通る村々は秋祭りでにぎわっていたが、あの水のない村だけは、死んだように静まり返っていた。今年もコメは一粒も採れなかったのだ。
二人は甕の金銀を半分使って、馬百頭、牛百頭を買い、その背に積めるだけの食料を買ってきた。
それらを村人たちに分けてから、仙人の言葉を伝えた。
「北の山に、屏風岩があるでしょう。その岩をみんなの力で少しでも動かせたら、水は際限なく湧いて出るとおっしゃいました」
それを聞くと村人はみんなで丈夫な長い縄をない始めた。長い長い縄が出来ると山に登って屏風岩にくくりつけて、みんなで引っ張った。でも岩はびくとも動かない。村中の年寄りも子供も全部集めて引っ張ったら、岩は少し動いて、水が勢い良く湧き出した。
若者は、残りの金銀を全部使って、村じゅうの田んぼに届く水路を作らせた。暖かい土地なので、冬の間に水路は出来上がった。
この村に若者とカナーも住むことにして、みんなと同じように働いて、幸せに暮らした。
カナーの生まれた島には、度々訪ねて行ったが、仙人のところへ、何かを訊きに行こうとはしなかった。