選挙前に拡散して欲しくて、本文が先で、説明があとになりました。
たくさんの反響をいただき、朗読される方も多いので、イメージを持ちやすいように、お銈(けい)さんの印象を書いて見ます。
彼女の声を初めて聞いた時、江戸っ子だと分かりました。それも下町のチャキチャキの江戸っ子。
江戸弁は語気が強いのです。語気に強弱が無くて、強い調子のまま「ボキッボキッ」と短く切れます。例えば、
「生まれは浅草」全部同じ強さで発音して、これだけで切れます。つまり 、 より 。 が多いのです。
「浅草警察の近所」これも同じ調子です。(です を使わない)
「駄目だよ」は、なお強く発音します。江戸の長屋のおかみさんたちが、本音で、ポンポン喋っていた、あの口調です。
だから、朗読の声はハッキリ強めに発音して下さい。 優しいもの言いでは、伝わりません。
お銈さんはさぞかし着物美人だったろうと思います。すらっと長身で、面長。
お顔は卵形ではなく、やや長四角。整った目鼻立ち。とにかく美人。
さぞモテたでしょうに、27歳で夫をなくしたまま独り身を通しました。強い覚悟のある方です。
背筋のピンと通った、意地っ張りでキツイけど、中身は優しいおばあちゃんです。
お話は録音しなかったので、おけいさんの言葉通りではないし、私の口調も入っています。 私は山の手の江戸っ子です。
それに、私は語り手なので、これは目で読む文章ではありません。声に出して読む文章に、自然となっています。
活用していただいたら、感想をお書きくださいね。いちいち、お銈さんに報告します。
もしかしたら、秋を迎えられないかもと、お医者さんが言われたそうで、徐々に体力が落ちてきていらっしゃるようです。でも、大きな声も言葉も、ハッキリ歯切れ良く強い調子に変わりはありません。
朗読なさる方は、はっきりした個性的な性格の、おけいさんをイメージして下さいね。
浅草生まれの江戸っ子なのですから。