ナスの形でヘタの所に柄が付いている、木で出来た黒い道具、ご存知ですか。真っ黒な表面に、針で引っ掻いたような傷が一面についていた。
今日、内側が絹で、外側がウール混のソックスを履いたら、どうも踵が冷たい。見ても穴はあいていない、でも間もなく穴があきそう。これはもう捨てなくちゃ。
でも履き替えるのは面倒と、今日のところは上からカバーを履いた。
そうしてふと、木の茄子を思い出した。戦中戦後なら、このぐらいの靴下なんかとても捨てられなかったな~
代わりが手に入らなかったもの。衣料切符を持って買いに行っても、お店に品物がなかった。品物が出回り始めた頃には、物凄いインフレで、お金がなくなっていた。
木の茄子を靴下に入れて、穴のあいた部分を糸で縦横に織るように縫って、またしばらく履いた。子供だって、自分で繕ったものだ。いよいよ大きな穴になっても、捨てないで、他の靴下のツギ当てに使った。
今は、ツギの当たった靴下なんか履けない。贅沢になったな~ 。
今日は晴れですが、とても寒いです。乾燥もひどい。
風邪が治りません。
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