なんでこういう展開になるの???と、あまりの幸運に、目をぱちくりしている私。
発端は、5月3日夕方のNHKラジオ。
買い物帰りに、畑の間の鎌倉街道を歩いていたら、ポケットラジオから、「七十代のネット人口は5%・・・」と聞こえて、これは黙っちゃいられないと、急いで帰宅。すぐNHKにメールしました。「年寄りこそ、インターネットを楽しむべきだと思います。私は『七十代万歳』と言うブログを書いて、お仲間と楽しく交流しています」と言うような事を書いたら、これがラジオですぐ読まれました。すると二人の方から書き込みがあって、すぐその方々のブログに飛ぶと、お一人は、うちの娘同様スペインに嫁いだ方でした。これも奇遇。
そしてもう一人、櫻井美紀さんのブログを見てびっくり仰天!語りの大先輩ではありませんか。
櫻井さんは私が語りを始めたばかりだなんてご存じなかったのに、偶然プロと初心者が出会ったのです。大先輩のブログをむさぼり読んで、色々資料も頂きました。
そして昨日は、櫻井さん主宰の『語り手たちの会』30周年記念事業特別講座『パーソナルストーリーを語る』に空席が出たのでいらっしゃいとお誘いいただきました。
王子の会場まで出向いて、櫻井さんと、会員の皆さんに初めてお目にかかりました。しかも私のブログと兄の『日中戦争の中の青春』を皆さんに紹介してくださいました。
さて、講座は、初めに4名の会員さんが、パーソナルストーリーを語りました。
一人目の方は、近年まで交通不便だった鹿児島の奥の方で育ったこと、その土地の支配者の歴史など、解りやすく語られました。
二人目の方は、14年間かわいがった猫との永訣を、優しいメルヘンにして語られました。
三人目の方は、会津弁で、ある仲人さん夫妻の、結納の日の大騒動を爆笑を誘いながら語られました。早朝に婿殿の家から結納金と酒一升、するめ10枚などを預かって、山奥の嫁女の家に届けたら、ご馳走攻めに会ってなかなか帰れず、その日のうちに、その酒と、するめの半分を返してもらって婿殿の家に届けなきゃならないのに、山道で日が暮れて寒くなり、途中からタクシーを呼べる筈が呼べなくて、寒さの中を歩くうち、旦那は大事な酒を飲んでしまい、するめも一枚食べてしまう。その酒を買い足すのに又たいへんな苦労をして、夜更けにやっと婿殿の家につき、無事嫁とり話はまとまった・・・というお話。
4人目の方は、沖縄の語り部を継承すべき方でした。戦後生まれですが沖縄で育ち、琉球王朝時代島津藩に武力支配をうけた悲劇や、月にまつわる民話の理不尽な目に遭う男の物語、そして、太平洋戦争末期に、日本軍によって殺された住民の多くの例を、戦争の狂気がさせた業として語られました。
私も作家の真尾悦子さんが足で徹底的に取材して書かれた作品を読み、直接お話も聞いて、沖縄戦については知っていましたが、沖縄に行った事がなく、沖縄の方に会った事もなかったので、目の前で語られることの重要さをひしひしと感じました。内地の若い人たちに沢山聞かせて欲しいお話しでした。
最後は櫻井さんの講義。・・・『ストーリーテリングには、昔話や童話の他に、家族、知人、自分のエピソードを語ることも含まれる。
人間はもっと自分の人生を愛して生きなければならず、生きるに値する人生を感じ取らなければならない。そのためには、本の中の話だけではなく、自分や身近な人たちの人生のエピソードを語って聞かせることが必要。だから私たちは経験した事を、直接伝えなければならない。
と言うようなお話でした。
とにかく8日の午後は、とっても楽しいお勉強をさせていただくことが出来ました。感謝感謝。
都内に出るときは二つ以上の用事を足してくるのが、イナカに引っ込んでからの私のきめごと。足が痛かろうと、駆け足で、秋田の美味しいものを買ってきました。
「もろこし」(落雁)二袋、「ふのり」二袋と焼き磯海苔です。北海道の店でも「アスパラスナック」を。
でも、連れ合いはフノリの味噌汁に感動しませんでした。
そうして今日9日午後は、川越市、ふじみの市、富士見市、三芳町の、語りの五つのグループの交流会が有りました。13人の方々の語りを聴かせていただきましたが、皆さん個性的で、実に面白い。語りは本のままでなく、その人の個性で語るもの、私もどんな風に自分流を形作って行けるだろうかと考えながら、良い勉強をさせていただきました。
二日連続で楽しい事ばかり、こんなに楽しい老後を過ごせるとは想像していませんでした。