10年くらい前まで、スペインではピソ(分譲マンション)がとても安くて、家賃は比較的高かったようです。
だから二十代の独身男女は、定職につくとすぐ、家を買いました。築100年の家だって、綺麗にして売られている、地震を知らない国ですから、若者でも手軽に買える家があったのです。
実家が近所にあっても、さっさと家を買って、自立する娘さんは沢山居ました。
今では、移民が増えたり色々で、家の値段が急騰し、そう簡単に買えなくなったそうです。
私たちが2000年にスペインに行ったとき、娘は築40年とは見えない綺麗な2LDKに住んでいました。南向きの明るい家でした。(定職があれば、外国人でもすぐローンが組めるのです)
婿さんの方も、20代で広いピソを買っていました。そこで世帯を持ったとき、要らなくなった娘の家を売りに出しました。一番に見に来た二十代の娘さんが「こんなお家が欲しかったのよー」と即決で買いました。洋服を買うくらい簡単な決め方でした。
スペイン人は貯金をしません。家を売ったお金は、何かを買ってしまわなければいけないのです。
そこで田舎の家を探したら、首都の家から車でたった20分のこんな田舎を見つけました。
だれも使わなくなって、荒れ果てた果樹園とプールのついた、築20年の小さい家が、日本の十分の一以下の値段で手に入ったのです。ラッキーでした。
大きな犬ですが、スパニッシュマスチフの優しい女の子です。
もう一頭も大きいです。アーモンドの花が咲き実がなります。
takeshiのパパが自分で建てた小屋、大理石のかけらを貰ってきて壁に貼りました。
3年前、近所の人たちと、裏の畑を買い足しました。家を建ててはいけない畑地だから安いのです。
パパはクボタのトラクターを買って、週末農業を楽しんでいます。
この田舎の家にはしばしば、パパの親兄弟が集合します。
月曜から金曜まで、それぞれ仕事に精を出して、週末は好きなことをして過ごします。休日出勤なんて有りませんから。
貯金はなくても楽しそうです。